『ランドスケープデザイン』 園三が紹介されました
注目の造園家 園三
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自然美から芸術美への展開
~園三のランドスケープ~
監修=曽和治好(武庫川女子大学建築学部景観建築学科)
アメリカを代表するランドスケープ・アーキテクトの一人、ガレット・エクボは1935年から65年までの30年間で約1000の庭を設計し、その2/3については監理も行ったと述べている1) 。園三(えんぞう)はランドスケープの創作活動を開始して、15年間で500以上の庭園作品を竣工させ、世に送り出している。エクボのように設計や監理のみではなく、園三自身による設計から施工も含めて500以上という庭園作品数だけでも十分にセンセーショナルだが、さらにこのペースで創作活動を継続すれば、あと10年程度でエクボの1000という記録を越すことも可能であろう。
またエクボは、当時の主流であったボザール様式からの離脱をはかり、「自由でフレキシブルな幾何学により、人工的なものと自然物の形やパターンの共通化」2)による、新しいランドスケープ・デザイン手法を展開した。園三は、庭園デザインと現代ランドスケープ・デザインを基盤に、現代建築・モダンアート・デザイン・デジタル技術など新たな芸術領域を重ね、現代的なランドスケープ表現による芸術美の創造を展開している。
今回の特集では、なぜ園三がこれほどまでに社会に希求されるのか、さらに園三が展開する独自のランドスケープ手法と芸術的感性について、芸術・ランドスケープ・建築を活動領域とする3人の専門家が、それぞれの立場から考察し、解説を試みる。
芸術美のランドスケープへ
・コンポジションとインプロヴィゼーション
・現代のファサード、デジタル・ランドスケープ
・現代アートのランドスケープ、ミラノへの展開
曽和治好(武庫川女子大学建築学部景観建築学科)
園三の庭をローズとの比較で読み解く
村上修一(滋賀県立大学環境科学部)
感覚のふれあいをはかる空間のたしなみ~園三作品に秘められた建築との共時性
久保田正一(久保田建設一級建築士事務所)